大腸がんについて
大腸がんは近年、罹患者数が増え続けているがんです。近年のがん統計で大腸がんは、男女合わせた罹患者数で1位と最も多く、死亡数でも2位になっています。大腸は小腸から近い順に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸があり、日本人の大腸がんは70%がS状結腸と直腸に発生するとされています。
大腸がんの原因
加齢、食生活、肥満などが原因となって生じると考えられており、遺伝の関与も指摘されています。リスクが高い食品として動物性脂肪や加工肉、牛・豚・羊などの肉があり、食物繊維の不足も大腸がんのリスクファクターとされています。欧米人に多いがんとされてきましたが、食の欧米化によって日本でも罹患者数が増えています。
大腸がんの検査
大腸カメラは、自覚症状のない早期の大腸がんや前がん病変の大腸ポリープを発見できる唯一の検査です。当院では、特殊光や拡大、画像処理などの機能を搭載した内視鏡システムを導入し、経験豊富な内視鏡専門医が丁寧に検査を行っています。検査では毛細血管の分布や粘膜の構造、炎症などの状態を確認することで短時間に微細な病変も発見可能になっています。
大腸カメラ検査では大腸全域の粘膜を詳細に確認し、疑わしい部分の組織採取もできますので病理検査を行うことで大腸がんだけでなくそれ以外の多くの疾患の確定診断が可能です。また、検査中に切除可能な大腸ポリープが発見された場合には、その場で日帰り手術による切除を行い、将来の大腸がん予防につなげることもできます。
当院では、鎮静剤を用いてウトウト眠っているようなリラックス状態で検査を受けていただいています。また、内視鏡スコープの挿入には患者様への負担を最小限にする軸保持短縮法を用い、安全性の高い検査を実現しています。
日帰り大腸ポリープ切除
多くの大腸がんは、良性の大腸ポリープが放置され、肥大化したものから発生しています。大腸ポリープの段階で切除することは、将来の大腸がん予防になります。当院では大腸カメラ検査中に発見された大腸ポリープをその場で切除する日帰り手術を行っています。事前の食事制限や下剤服用も1回ですみますので、患者様の心身への負担が軽減できます。